医療業界への転職を目指す

日本では長い間不況が続いていて、転職を考えている人にとっては厳しい社会状況となっています。
特にここ数年は各業界ともに求人数に落ち込みが見られ、不況の煽りをもろに受けているといった感じです。
そんな厳しい経済状況の中でも比較的不況の影響を受けていない業界がいくつかあります。
その中の一つが医療業界です。

医療業界が不況に強い理由

入院患者と医師・看護師のイラスト医療業界が不況に強い理由にはいくつかありますが、
まず大前提として景気が良くても悪くても医療行為自体は無くなることがないという事実があります。

あたり前のことですが、病気になる人や怪我をする人の数は景気の影響を受けません。
景気が良かろうが悪かろうが、ある一定数の人々は病気や怪我で診察を受けます。
もちろん、不景気になれば消費者(患者)の財布の紐は固くなりますが、
それでも他の業界に比べれば景気の影響はかなり小さなものです。

医療業界が不況に強い理由の二つ目としては、日本社会の高齢化問題があるのではないでしょうか。

皆さんご存知のように、いま日本は深刻な高齢化が進みつつあります。
1970年にはわずか7%であった高齢化率(全人口の65歳以上の割合)は
2000年にはさらに10%増えており、2010年には3倍にまで数字を伸ばしています。

高齢化のグラフ

(全人口に対し濃い青色が高齢者の割合です)
当然のことですが、人間は年齢を重ねるにつれて病気や怪我をするリスクが高くなりますよね。
そうなれば病院にかかる機会も増えますから、医師や看護師など医療従事者の仕事が増える結果になります。
患者が増えれば病気や怪我を治すために医薬品も売れるようになりますから、
薬剤師の仕事も増えることになります。

また、現在は健康な方でも年齢を重ねれば健康に対する関心が高くなるため、
医療・医薬品に関連する出費が増えていくのです。
多くの人が病気の予防のために健康食品やサプリメントなどを購入することによってドラッグストア等で
働く薬剤師の求人も多くなりますし、健康食品を製造する製薬会社などの仕事も増えることになります。

医療業界のこれから

もちろん、医療業界にも競争原理は働きますから、弱い企業が倒産したり大きな企業に
合併・吸収されたりといったことは、これから先増えていく傾向が強まるでしょう。
しかしながら、患者自体の数が急激に減少しない限り、医療行為を行う医師や看護師の数が減ることも
考えにくいですし、医療行為を支える様々な企業や従業員(医薬品メーカーや医療機器メーカー、
薬剤師、栄養士、医療事務など)の数が急激に減るということも考えづらいことでしょう。
こういった様々な理由から、医療業界における転職は他業種と比べてかなり盛んに行われています。

また、医療業界内の転職だけでなく、他の業種から医療業界に転職してくる人の数もかなり増えています。
その分、競争が激しいということも言えますが、しっかりとした知識やスキルを持っている人ならば、
活躍できるフィールドが広がっていると言うこともできるでしょう。
転職サイト「リクナビNEXT」では、非公開求人を含む多くの医療業界の求人情報が掲載されているので、
転職を考えている方はぜひチェックしてみましょう。

チャンスを逃さないよう、常にアンテナを張ることが重要といえるのです。

知っ得!豆知識

医局とは?

主に大学医学部・歯学部・病院等において、診療情報共有や研修などを行う場所のことを医局と呼んでいます。
診療科ごとの教授を中心とした准教授や講師、常勤医や非常勤医、果ては研修医や大学院生まで幅広い役職の医療関係者が在籍しており、ピラミッド型の組織で、人事など重要事項の決定権を持っているのが特徴です。

研修医制度とは?

医師免許を取得した方を対象に、大学の附属病院あるいは厚生労働大臣によって指定された病院で臨床研修を受けることを指す。
医師免許取得者は、医師法によって定められた2年間を研修医として一定期間勤務することが義務付けられています。専門性の高い研修を行うことによって医師としてスキルアップすることができるので、一人前の医師となるために重要な期間なのは間違いありません。

これからの医療業界の人材

医療業界では人材不足が続いています。専門性の高い知識や技術が求められるなか、夜勤や急な出勤なども多く激務と言われています。誰でもなれるという職業ではないため、優秀な医師や看護師を確保しようと、業界内では人材の奪い合いが起こっています。労働環境の整備や待遇の改善がなければ、高い採用コストをかけて見つけた人材もすぐに離職してしまうのです。