ヤマアラシ症候群

攻撃的に構える症状

ヤマアラシのジレンマという言葉があり、ドイツの哲学者が人との距離について語っている中で使われています。
ヤマアラシは体に針を持っており、他の動物に接すると針が刺さる危険があります。
このようなヤマアラシの体になぞらえて、相手との精神的距離を考えず、相手からの攻撃を恐れるために先に攻撃しようと考えてしまう人のことを、ヤマアラシ症候群と言います。

このような症状の人は、コミュニケーションが苦手であり、構えて接しやすく、人から何か言われる前に攻撃的な言葉を発し、周囲から背を背けてしまいます。
大人になると孤立状態となり、社会生活が送れない、仕事が上手くできないなどの問題が起こり、イライラや鬱病などの症状を発します。
人と調和して生活や仕事をすることが出来ないので、大変日常を送りにくく、問題を自ら発生させることも多いです。

一人っ子であり、子供の頃から孤立して生活することが多く、親からは過大な期待を受けて育った場合に発症しやすい症状です。
親が過保護で過干渉であり、子供のわがままをすべて受け入れるような過程で育つと、大人になると発症しやすいです。

性格はマイペースな場合が多く、独自の理論や考えを貫こうとすることも多く、協調性を持つのは苦手です。
集団生活を送った経験が少なく、周囲に溶け込むのにも慣れていないことも多く、他人から見ると孤独に見えますが、本人としては周囲から嫌われることを恐れているのです。

共同生活をしてみると良い

嫌われたくないから先に嫌うというコミュニケーション不全であり、子供の頃から物事の受け止め方に歪みを発生させており、対話するにしても上手くいかないことが多いので、自分だけで問題を解決していくには困難です。

すでに人を攻撃すると嫌われるということは、なぜだかわかっておらず、自分は正しいことを言っていると思っており、根本的な間違いをしていることには納得していません。

このために、カウンセラーと一緒に少しずつ人とのコミュニケーションについて、自身の考え方や接し方を変えていくしかありません。

ただカウンセリングを受けたとしても、なかなか改善は出来ないかもしれません。
まずは、人間関係を築く方法を知るためにも、会社や学校で出来るだけ集団の中に入って、周囲の人との接し方を見るようなことをしてみましょう。
会社の寮に入ったり、シェアハウスで生活したり、学生寮に入ったりと、集団で生活して治していくのも良いです。

はっきり言うと、ヤマアラシ症候群の方は周囲から変人だと思われるので、そのまま改善されずに老人になると、大変なことになります。
早めに自分の接し方がおかしいと気づいて、何かしらの対処をする方が将来の自分ためです。