自治医科大学

自治医科大学なら金銭面での心配は無用

医師不足という問題は全国各地で見られますが、特に人口の少ない地域などでは状況はかなり深刻です。
医療を受けられないということは地域住民の健康維持に支障をきたすだけでなく、その懸念から地域を離れる住民が増えるということも意味します。
そうなると、ただでさえ少ない人口がさらに減少してしまうという悪循環に陥ることになるでしょう。

このような問題を少しでも改善するため、各都道府県の協力によって設立されたのが自治医科大学です。
こうした学校が誕生したことにより、都市部に目が行きがちだった医師志望の学生を地方に呼び戻すことが可能となりました。

自治医科大学は学生にとってもメリットがあります。
自治医科大学では、入学者全員に入学料や授業料、実験実習費、施設設備費といった学費相当額の貸与を行います。
そのうえ、大学卒業後にある条件を満たすことによって、この貸与金の返済も免除されます。
その条件とは、第一次試験を実施した都道府県の知事の指定した病院に医師として勤務していて、加えてその期間が貸与を受けていた期間の1.5倍に達した場合です。

私立大学の医学部への進学は高額な学費がかかることで有名ですが、自治医科大学へ進学すれば金銭的に苦しい家庭でも医師を目指すことが可能になります。
しかし、卒業後は最長で9年間が出身地での勤務となること、そしてその内の2、3年はへき地の病院や診療所等での勤務となることといった制限があるので、注意が必要です。

自治医科大学で学べること

さて、自治医科大学に進学を検討している方なら、その学習内容についても興味を持っていると思います。
では、どのようなことを学ぶことができるのでしょうか。

在学中の6年間では、主に高度な臨床医学の知識や技術などを学びます。
特に、一般的な大学の医学部では5年次の1年間で履修することになる臨床実習を、この大学では4年次から2年間かけて学ぶことになるので、より実践的な学習が可能です。
また、自治医科大学は地域の医療の確保と向上を目的に設立された大学です。
そのため、地域医療実習などもカリキュラムに含まれ、地域医療に関する知識を学ぶことができます。

自治医科大学では教育環境にも力を入れています。
この大学は全寮制ですが、これは共同生活を通じて規律の順守や責任感、自律精神などを養成することを目的としています。
ただ、それぞれの学生のプライバシーやセキュリティーはしっかりと確保されているので安心ですし、学生寮では無料でインターネットの利用も可能です。
さらに、附属病院や子どもを対象とした医療センターが実習施設となっているため、最新の設備を使った実習を行うことができます。

このように、自治医科大学では高度な医療技術や知識を学費をかけずに学ぶことができます。
地方での勤務でも構わないという方は入学を検討してみてはいかがでしょうか。