医者の平均年収

同じ医師でも収入は異なる

高収入を得られる職業としてはいくつかありますが、医師もそのひとつです。
実際、高い収入を得られることが医師を目指す理由だという方もいると思います。
この職業は人の健康や生命に関わるのが仕事であり、極めて専門的な知識や技術が必要です。
そのため、それに見合った金額の報酬を得るのも納得でしょう。

ただ、同じ医師でも様々な条件によって年収には差が生じます。
医師というと外車やスポーツカーといった高級車を乗り回しているようなイメージを持っている方も多いと思いますが、全ての方がそのような生活を送れるわけではありません。
高額な収入を得ている方もいる一方で、そうでない方もいるのです。

高い収入を得ることのできる医師とは

では、どのような要因が収入の差を生むのでしょうか。
そのひとつは医師の年齢です。
研修を終えたばかりの医師の平均年収は、歳を重ねた医師よりもかなり低いというのが現状です。
それでも、同年代の一般的なサラリーマンと比較すると高めですが、医師になるために今まで苦労をしてきただけに不満を抱く方もいるかもしれません。

役職によっても年収は変わってきます。
大学病院では講師として働いている場合は平均で700万円台、助教授なら800万円台となります。
そして、教授になると年収は1000万円程度です。
一方、大学病院で勤務している25歳以上、35歳未満の若い医師では平均が300~600万円程となっており、年齢と役職によって差が出ることが分かります。

また、勤務している病院の種類によっても差はあります。
市中病院に勤務している医師なら研修終了後でも平均で600~800万円程の年収です。
さらにこの10年後、場合によっては5年後には1000万円に到達し、部課長クラスともなると1500万円以上となります。
院長まで上り詰めれば2000万円程となり、大学病院の教授の2倍ほどの収入です。

以上は勤務医における収入の違いです。
しかし、医師は病院等に勤務している方だけではありません。
独立して自らクリニック等を営む、開業医と呼ばれる医師も存在します。

勤務医と開業医の間においても年収の差はあります。
そして、多くの方がご存じだとは思いますが、開業医は勤務医よりも高収入です。
病院の経営が順調にいけば、年に2000~3000万円程の収入を得ることができます。
したがって、開業医なら市中病院の院長と同程度、あるいはそれ以上の金額を稼ぐことができるのです。

ただし、開業には資金が必要です。
医療機器は高性能な分だけ値段も高いので、設備を整えるだけでも何千万円もかかります。
そのうえ、年数がたてば買い替えの必要も生じるなど、医療設備の管理も欠かせません。
こうした資金は経営者である開業医本人が支払うことになるわけですから、高い収入を得てもそちらにあてざるを得ない場合がしばしばあります。

このように、ひとくちに医師といっても様々な要因によって年収に差が生じます。
そのため、医師を目指す際はこうした点を踏まえたうえで、将来のビジョンを決めると良いでしょう。