医師国家試験の出題内容

医師国家試験は医師になるための最後の壁

医学部に入学することができたら、誰もが充実感を得ることができるでしょう。
どの大学の医学部もレベルが高く、相当な努力をしなければ合格はできないからです。
しかし、医学部への進学は過程でしかないということを忘れてはなりません。
医師になるためには、今後も努力をし続けることになります。

医師として働くことができるのは医師免許を取得している者だけです。
そして、医師免許は医師国家試験に合格することで取得することができます。
よって、医学部への進学を果たしたら、今度は医師国家試験の合格を目指すことになるでしょう。

医師国家試験の合格率は90%を超えているため、一見すると難易度がそれほど高くないように思えるかもしれません。
しかし、この試験では合格率の高さは難易度とは無関係です。
医師は人の生命に関わる職業ですから、当然高い能力を持っていることが求められます。
したがって、試験の難易度も高くなるのです。

合格率が高いのは、受験者のレベルが高いからです。
どの大学の医学部も偏差値が高く、学力の高い人物しか入ることができません。
そのため、勉強のできる方しか受験できないこの試験の合格率も高くなります。
ただ、大学によって合格率には差があります。

3日かけてさまざまな科目が出題

医師国家試験は3日間かけて行われる長丁場の試験です。
出題される問題の数も500問となっており、知識だけでなく、集中力とそれを維持するためのスタミナも必要となるでしょう。

では、どのような問題が出題されるのでしょうか。
医師国家試験で出題される問題は、必修問題、一般問題、臨床実地問題の3種類です。
その内訳としては、出題数500問中の100問が必修問題、その他の400問が一般問題と臨床実地問題となっています。

必修問題は基本的な内容が出題される問題であり、難易度としてはそれほど高くありません。
ただし、これらの問題には合格基準があり、8割以上得点できないとその時点で不合格となるので注意しましょう。
一方、一般問題と臨床実地問題では、より専門的な問題が出題されます。
必修問題と同様にこれらの問題でも合格基準がありますが、この数値は相対的なものであるため、年度によって変動します。

なお、注意しなくてはならないのは禁忌肢問題の存在です。
禁忌肢問題とは、生命に危険を及ぼす、あるいは倫理に反するような行為等を選択肢に入れた問題のことです。
禁忌肢を一定数選んでしまうと不合格になってしまうので、注意しましょう。
とはいえ、このような選択肢は医学を学んでいる方ならまず選ばないようなものですし、実際、禁忌肢が原因で不合格となったケースは今までにないので、それほど気にする必要はありません。