医者に必要とされる適性

医師は誰でもなれる職業ではない

医師という職業に憧れを抱く方は多いと思います。
ドラマや漫画などで描かれる機会が多いうえ、最近ではタレントとして活躍する方も増えてきました。
また、高い収入を得られるということも魅力的でしょう。
病院やクリニックを訪れると、駐車場や車庫に外車やスポーツカーなどの高級車が置いてあるのを目にすることも多いはずです。

ただ、医師は他人の健康に関わるという重大な責任を伴う職業です。
ちょっとしたミスでも、ときには生命を左右する事態にもなりかねません。
また、近年では医師不足が指摘されることがありますが、患者の数は依然として多いままです。
そのため、医師はハードな労働をこなすことになります。

このように、医師は誰にでもなれるという職業ではありません。
適正が存在し、それを満たす方でなければ一流の医師にはなれないのです。
では、どのような人物が医師に向いているといえるのでしょうか。

医師に求められるのは

医師になるために必要となるのは、やはり高い学力です。
医師を目指すためには難関である医学部に合格しなくてはなりませんし、その後も医師国家試験を目指して勉強することになりますから、勉学から離れられない生活を送ることになります。
また、仮に医師国家試験に合格して医師となることができても、医療を取り巻く環境や技術は日々変化していくわけですから、常に勉強する意欲を持っていないと良い医師となることはできないでしょう。
よって、知的好奇心を持ち続けるということも医師には求められます。

そして、高いコミュニケーション能力を持っていることも重要です。
患者の抱える痛みやその他の症状は本人にしか分かりません。
そのため、医師は患者とのコミュニケーションを通してそれを聞き出す必要があります。

ときには、患者がその症状を正確に表現することができない場合もあります。
痛みといった明確な症状だけでなく、言葉にしづらいような違和感などを感じていることもあるからです。
この場合、患者からの申告を聞くだけでなく医師側が質問を適宜行い、それを基に客観的に判断しなくてはなりません。
そこで、医師は高いコミュニケーション能力を持つことが極めて重要となります。

なお、能力だけでなく心持も問われます。
良く知られているように、医師はかなりのハードワークです。
こうした業務をこなすためには、肉体的な強さもさることながら医師として働きたいという強い思いも大切でしょう。
加えて、患者の症状を把握するためには他人に対する興味や思いやりなども必要です。

以上のように、医師には様々な能力が求められます。
これらが欠けていると一人前の医師になれないばかりか、自身の判断によって患者側の健康を害してしまうことや、場合によっては生命を危険にさらすような事態を生み出すことにもなりかねません。
したがって、現在医師を目指して勉強している学生の方でも、今一度、自分が本当に医師に向いているのかを立ち止まって考えてみることも大切です。