救急救命士の資格

重要な存在

病院へ搬送されている途中の傷病者に対して救急救命処置を施す役割を果たしているのが救急救命士です。
国家資格であり、とても重要な存在となっています。
医師からの指示のもとに救急救命処置を行う仕事をしています。

救急隊の救急車には救急救命士を最低1名乗車させることが目標となっています。
傷病者の命を救うための大きな責任を背負っています。
病院前救護での質を高めることが救急救命士の存在意義となっています。

病院へ搬送されるまでの間にどのような処置が施されるかによって、傷病者の救命率には大きな影響を与えるのです。
医療機関と連携を強化したり、救急隊員の指導や育成にも関わります。
元々、救急隊員は医療行為ができなかったのですが、その問題点を指摘されて、多くの国民から求められた結果として、救急救命士が法制化されました。

元々、救急救命処置は看護師に与えられている独占業務なのですが、特別な条件下ではこの独占が解除されるため、救急救命士も救急救命処置を行えるのです。
どのような処置が行えるのかは法律によって厳密に定められています。
ただし、一部の行為に関しては医師からの指示がないと行えません。

しかし、東日本大震災のような緊急の際にはたとえ医師からの指示がなくても特定行為を行うことは違法とはならないという見解が示されています。
そのため、救急救命士は患者を救うために全力で仕事に取り組むことができます。

救急救命士の国家試験について

かつては年に2回国家試験が行われていたのですが、現在は年に1回となっています。
受験資格が定められており、それを満たしていないと受験できません。
指定された学校や養成所で2年間勉強をした者や大学で特定の科目を修めた者、講習を受けて5年以上の救急業務に従事した者などが受験資格を得られます。

国家試験は3月の上旬に開催されて、3月の下旬には結果が発表されます。
試験地は北海道と東京都、愛知県、大阪府、福岡県となっていいます。
そして試験科目には基礎医学と臨床救急医学総論が含まれています。

筆記試験のみが合計200問出題されて、マークシート方式となっています。
午前と午後に分けて試験が行われます。

合格基準が設定されており、それを満たしていないと合格できません。
平成27年度の国家試験では受験者が2956人いて合格者は2665人でした。
合格率は90.2%となっています。

それほど難しい試験ではなく、受験資格を満たしている方であれば、多くの方は合格できます。
養成所で学んだことがきちんと定着しているならば、それほど恐れる必要はないでしょう。
試験に出題される内容は救急救命士として働くために必要なことばかりのため、真剣に試験勉強をしましょう。

医学についての基本的な内容が出題されます。
救急救命士として働くならば、医学的に正しい知識を有していることが要求されるため、真剣に受験しましょう。