理学療法士の資格

基本的動作能力の回復

理学療法士とは患者に対して基本的動作能力を回復させるためのリハビリをさせることです。
運動を行わせるだけではなくて、温熱や電気刺激といった物理的手段を加えるリハビリもします。
加齢や事故などによって身体機能に障害のある方のトレーニングだけではなく、脳卒中による麻痺や運動能力の発達が遅れた新生児に対する療法も行います。

理学療法というのは物理的な治療法のことであり、それを主体的に行う者が理学療法士とされています。
ただし、理学療法士というのは業務独占資格ではありません。
そのため、理学療法は理学療法士の資格がなくてもできるとされています。

もちろん、専門的な知識や技能を持っている理学療法士が理学療法を行うことが望ましく、多くの施設では理学療法を理学療法士が担当しています。
理学療法士の治療は単純な運動を反復させるようなものが多いです。
患者の中にはリハビリをすることが精神的に辛くなってしまう方がいるのですが、そのような方の精神的な支えになってあげることも理学療法士に求められています。

理学療法士の資格を持っている方は10万人を超えています。
超高齢化社会に対応するため理学療法士の養成校が増やされた結果です。
そのため、今後はより広い分野での活躍の場を設けて、過剰に存在する理学療法士を有効に活用することが課題となっています。

たとえば、欧米では理学療法士が産業分野でも活躍しており、日本においても産業分野に理学療法士が参画することが望まれています。
それによって、就労環境を改善させたり、労働者への運動療法を実施させるなど新しい役割が生まれます。

理学療法士の資格を取るには

理学療法士になるためには国家試験を受けなければいけません。
受験資格として理学療法士の養成校で3年以上勉強をする必要があります。
養成校としては、4年制の大学や専門学校、3年制の専門学校、特別支援学校などがあります。

最も人気が高いのは大学なのですが、特に国立大学の場合は受験難易度が高く狭き道となっています。
大学を卒業した後に専門性をさらに高めるために大学院への進学を考える方が増えています。
理学療法士の数が増えているため、他の有資格者との差別化を図るために修士や博士への進学を考える方がいるのです。

理学療法士の試験は例年3月に行われます。
筆記試験を受けることになり、理学療法士として必要とされる知識が問われます。
理学療法士国家試験の合格率は8割前後となっており、それほど難易度は高くありません。

きちんと養成校で勉強をした方ならば問題なく合格することができるでしょう。
作業療法士との違いを理解して、理学療法士についてきちんと理解をしてから目指しましょう。
将来、理学療法士としてどのような方向性を目指すのかを考えることは大切です。