歯科医師

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開業医が多い理由

同じ医療業界の仕事でも、医師と比べると歯科医師の転職というのはあまりイメージが湧かないというという人も多いかもしれません。
というのも、医師に比べて歯科医師は開業医として働く人が圧倒的に多く、他の歯科医院などに転職することがあまり考えられないからです。
歯科医師に開業医が多いのにはいくつか理由があります。

まず、一般的な病院と比べて歯科医院の場合には開業資金が少なくて済むという理由があります。
医師が開業する場合、テナント料などの他にレントゲン設備や治療機器など非常に高価な設備を購入する必要があり、若い医師が開業をするには資金的に無理があるのです。
一方、歯科医院の開業の場合はテナント料に関しては個人クリニックとあまり変わらないかもしれませんが、治療設備に関してはかなり安く済みます。

たとえば診療台ユニットを3つ用意するとして約1000万円、その他にレントゲンやエアーコンプレッサー、バキューム、治療器具、その他諸々の備品代・消耗品費などを準備したとして、開業資金の相場は3000万円から5000万円程度だと言われています。
決して安い金額ではありませんが、個人クリニックと比べれば半分以下の費用で済むのです。

 

アルバイトでは成せない

また、歯科医師に開業医が多い理由として、医師と違って歯科医師の場合はアルバイトで食べていくのが難しいという背景もあります。
医師のアルバイト(非常勤医師)による収入は高額であることで知られていて、月収100万円程度稼いでいる医師もかなりいます。
一方、歯科医師のアルバイトは時給にして2000円から、良くて3000円と言われていて、資格を取り立ての若手歯科医師の場合には1000円台の時給ということもあるのです。

これでは高い学費を払って大学を卒業した意味がなくなってしまいます。
このような理由から、医師に比べて歯科医師の開業率は非常に高い数字となっていますが、このことが現在、歯科医師の過剰問題を引き起こしている一因にもなっています。

 

増加する歯医者

現在の歯科医飽和状態を端的に示す言葉として「歯科医院はコンビニよりも多い」とまで言われますが、特に都市部ではそれほど歯科医院の数が多くなっているのです。
このような状況では当然ながら競争が激しくなります。
以前は歯科医師になれば一生食いっぱぐれないと言われていましたが、現在は廃院する歯科医院も増えてきていますし、年収が300万円台という歯科医師も多くなっています。

このような理由から転職をする歯科医がとても増えてきてるのです。
そして、歯科医師の転職先として現在注目されているのが審美歯科の分野です。
審美歯科とは一般的な歯科治療とは違って、見た目の美しさに注目した歯科医療の分野であり、歯を白くするホワイトニングや、歯並びを良くする歯列矯正、人工の歯を埋め込むインプラントなどがあります。

こういった審美歯科の施術の多くは保険が適用されないため、歯科医院にとっては非常に利益率の高い医療となります。
もちろん、収入面でも恵まれているのです。
現在、歯科医で高収入を得ている人の多くは審美歯科の経営者と言われているので、高収入を望む歯科医は審美歯科の求人情報をチェックしておくと良いでしょう。